副業型林家育成支援事業(伐倒、造材、搬出 2018年1月13日 佐川町)


アドバイザー派遣事業(伐倒、造材、搬出 2018年

写真:一番左がアドバイザーの山口祐助さん、佐川町地域おこし協力隊、研修生の町民の方々、NPO土佐の森・救援隊四宮さん

  • 支援制度:副業型林家育成支援事業
  • 取材日 :平成30年1月13日
  • 場 所 :佐川町
  • 利用者 :佐川町
  • 費用負担:利用者負担有り ※参加費無料
  • アドバイザー略歴
    山口 祐助 :  兵庫県に約180haを所有し、作業道を高密度に張り巡らせて、抜き伐りで効率的な木材生産や、針葉樹と広葉樹を混生させた整備を進めている純粋な自伐林家。優れた森林経営が評価され、平成20年の全国林業経営推奨行事(大日本山林会、全国林業改良普及協会主催)において林野庁長官賞を受賞。伐倒から運搬、作業道敷設まで、すべての林業施業の作業を一人でこなすことができるオールラウンダー。 (引用:自伐型林業推進協議会)

    紹介記事
    http://jibatsukyo.com/meister/

     

自伐型林業研修の目的

高知県佐川町では山林の管理に困っている方、町内で新たに林業を始めてみたい方、自伐型林業に関心を持っている方を対象に、年間を通して4回(各回二日)の自伐型林業研修を行っており、林業未経験者、林業初心者でもチェーンソーの取扱、伐倒・造材・搬出から、作業道の開設まで座学と実技講習を交えた自伐型林業に必要な基礎技術を身につける研修となっている。

今回は伐倒・造材・搬出について兵庫県の自伐林家 山口祐助さんを講師に迎え、自伐、間伐作業に必要な技術研修を行った。


作業風景 作業風景

自伐・間伐に適した技術を習得する。

「一般的な伐倒のやり方ではなく、自伐型林業では少し方法を変えた方が良いと思う」と山口さんは言う。
今までのやり方は、斧やノコギリで切っていた時のやり方、今はチェーンソーで直ぐに切れてしまう、受け口一つとっても今までの角度より広くすることで、下切りと斜め切りの終わりの部分が見やすくなり、つるをしっかりと残すことができる。
追い口の高さも一般的には受け口の2/3程度だが、高さがあればあるほどつるが強くなり倒れづらい、追い口を造るのに時間をかける必要があった斧・ノコギリの時代の方法、今は受け口の下切りとほぼおなじ高さが、海外でも一般的な方法となっている。

自伐・間伐に適した伐倒

  • 受け口の角度は60°〜70°と広くとる。
  • 受け口の深さは直径の80%以上の幅があれば、つるの役目を果たす。
  • つるの厚さも直径の10%程度あればよい。
  • 追い口の高さは受け口とほとんど同じ高さとし、追いづる切りをする事で風待ちもでき安全に伐倒する事ができる。

林業は災害の多い業種、指差し確認はじめ、安全のためにできることをしっかりとやる、伐倒の手法も山や環境に合わせて選択してほしい。


作業風景 作業風景 作業風景 作業風景 作業風景 作業風景

参加された町民の方々の声

町民の方の参加

研修には主婦の方や、林業と全く関係の無い職業の方、定年をむかえられ林業に興味がある方など様々な町民の方々が参加されていた。
いずれの方も佐川町内に大小の山林を所有していたが、研修に参加した理由は

  • 「副業型で自伐型林業ができるか触りの部分を体験したかった。」
  • 「林業に興味があった、小さいが山をもっている。研修をきっかけに自伐型林業をやっていきたい。」
  • 「小さいが山をもっている。伐倒など勉強したかった、山の管理を依頼するにも研修で教わった事が役にたつ」

など様々

今回女性の方も含め町民の方は全員が人生初の伐倒を行い、講師の山口さんの指導により狙った方向に確実に伐倒できていた。
いずれの方も「初心者がまず林業に触れる機会として、年間を通して自伐型林業を学べる佐川町の取り組みは良いもの、今後も続けて欲しい」と熱気を帯びて話していた。

 

初めての伐倒


作業風景 作業風景 作業風景 作業風景

佐川町と地域おこし協力隊の関わり

佐川町 笹岡さん

佐川町では、山林の整理・集約化を進めている、これは、地域おこし協力隊を始めとする移住者や、今後町内外から佐川町で林業をおこないたいという方が現れた際に、佐川町が山主と林業家をマッチングさせ、自伐型林業をきっかけに地域おこしを行っていく事が目的
同様の取り組みは鳥取県や静岡県でも行われており、高知県では佐川町が初、今後全国にひろがっていくものと思われる。
高知県の補助金は他県と比べ手厚くなっているイメージ、研修自体は補助金が無くなっても続けていきたい、そのためには土佐の森救援隊さんの協力が必要だと感じている。

 

講師の山口 祐助先生

手順は教えたとおり、まずは正確にやることが大事。
切った後の切り株を確認し、自分の思いどおりに切れているか、倒れる方向はイメージしたとおりかの確認を繰り返す。
確認をしないとなかなか上手くはなれない。
参加者には丁寧な林業を続けて欲しい。
一般の方の参加が他県に比べ少ないように感じる、佐川町の取り組みも続いているが、なかなか増えない。高知県は補助金なども手厚いイメージがある、もっと一般の方の参加が増えて欲しい。


作業風景

支援制度について

支援制度に関する詳細はこちら
https://kochi-shoukiborin.jp/support/


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