「すくも森林塾」副業型林家育成支援事業(作業道開設 2018年1月27日 宿毛市)
写真:下段一番右がアドバイザーの橋本光治さん、研修生の町民の方々
- 支援制度:「すくも森林塾」副業型林家育成支援事業
- 取材日 :平成30年1月27日
- 場 所 :宿毛市
- 利用者 :宿毛市
- 費用負担:利用者負担有り ※参加費無料
- アドバイザー略歴
橋本 光治 : 徳島県の橋本林業 代表
専業自伐林業者として、38年間林業に従事
伐倒・搬出・枝打ち等林業全般に取り組む。
紹介記事
http://jibatsukyo.com/person/hashimotofamily
すくも森林塾の目的
「すくも森林塾」では宿毛市内に完成した木質バイオマス発電所の活用、森林の利活用を目的とし宿毛市民を対象に、チェーンソー研修や間伐の基礎、林業に必要な建設機械研修など、自伐型林業に必要な基礎技術を身につける研修を行っている。
年間6回(12日間)の研修を受けると林業関係の資機材購入費に補助(上限5万円)が受けられる。
今回は作業道の開設について橋本光治さんを講師に迎え座学と技術研修を行った。
山を観察して考える。
「材価が低い中でもどうすればいいかを考えたほうがいい。その中でもできている人がいる。
共通するものはなにか? 作業道を高密度に付けている。
高密度の作業道と適切な機械化、持続可能な間伐を行うことで、山を回し後世に残すことができる。」
経営に最も大事なものは間伐
杉 45年生 1haでどうすれば経営できるか?
- 20%間伐を行う(40立方 約60万が手元に残る計算)
- 山を回していくことで残った木が太る。
- 30%以上の間伐や皆伐をしてしまうと、植林をする必要がでてくる。
- 下草刈りも適切な間伐をしていれば必要ない。
- 植え付けもしなくていいから獣害もなくなる。
高密度の作業道を入れるには
- 葉脈を模して道を付ける。
- 尾根筋で上がっていき、棚を見つけて道をつける。
- 尾根だと岩が出たときも道を変更できる。
- 尾根でU字、支線をいれていくと切り取り高が少なくすみ開設費も抑えることができる。
じいちゃん、ばぁちゃん、かぁちゃんでもできる三ちゃん林業を目指して欲しい。
機械化と高密度の作業道をつけることで持続可能な林業ができるようになる。
自伐とは「自分で切る」「自由自在」「自立」すること。
参加された市民の方々の声
市民の方の参加
宿毛市の研修では現在山林を持たれていない方も多く参加されており、現在のご職業や参加の目的も様々で、市の職員やNPOを立ち上げるための関係づくり、親子でご参加されている方等、多様性にとんでいた。
- 「移住をしてきた、副業型で考えている。自伐型林業の後世に残していくという考えが気に入っている。」
- 「今年始めて参加した、山を継いでいく、世代をつないでいく残すための自伐型林業をやりたい。研修と研修の間が1ヶ月あいてしまいその時は良いが、山に入った時に習ったことができるか不安」
- 「環境関係のNPOを立ち上げようと思っている、そのために自伐型林業やいろいろな立場の人と繋がれる事が良い」
- 「この森林塾の1期生、市の職員で土日は林業をやっている。この取り組みがきっかけで2期生とつながり施業する山が見つかった。
多様な人たちと繋がれることがいいと思う。場所を見つけるのがやはり課題」
これからの自伐型林業
講師の橋本 光治先生
やりかたによってまだまだ林業はできる。
自分でやること。小さい面積の人は、人に頼むと残らない。
自分の立場でできること、副業で林業をやればいい。
作業道のポイント
- 崩壊地は触らない。下手な道をいれると崩れる。
- 下手な道を入れるくらいなら架線取りがまし。
- 道をつける技術、架線の技術をもっておく。
- 道が入らない場所は絶対ある、そういうときは架線でやる。
- 無理をしない。山にあった事をする。
- 丁寧にやることが長い目でみたら安上がり。
県の支援制度と宿毛市の取り組みについて
県の支援制度は林業家にとってはありがたいと思う。
アドバイザー派遣事業は高知県だけではないか?林業家の負担も少なくなり非常に良い、講師も来やすいと思う。
宿毛市はこれからの土地、今回参加された方からだんだんと広がって行けばいい。
自分の立場、あるもので勝負して小遣い稼ぎからできればいい。