ワークスタイル

山番 有限責任事業組合の皆さん

STYLE10有限責任事業組合、副業、6次産業化

林業の6次産業化へのチャレンジ
山を守る「山番」後継者の育成

本山町山番 有限責任事業組合

ラジキャリー (自走式搬器)

グラップラー


画像

左から代表の川端さん、稲葉さん、中西さん

 

土佐嶺北の山を守る「山番 有限責任事業組合」の立ち上げ

2016年に本山町で結成された「山番 有限責任事業組合(以下 山番LLP)」代表の川端さんとメンバーの皆さんにお話をうかがった。

「山番」とは

世界遺産の地、奈良県吉野に何世紀にもわたり築かれた「山守(やまもり)」という持続可能な森林管理制度がある。
もともと嶺北にも同様の意味をもつ「山番」という言葉があったが、近年ではそのなり手がいない状況が続いていた。
川端さんが仲間と嶺北の山を守っていく、持続可能な林業を営んでいくための、有限責任事業組合(以下 LLP)を立ち上げるさい、やりたい事と山番という考えががっちりと合い「山番」を復活させた。

全員移住者、林業で起業定住を目指す。

山番LLPのメンバーの背景は、塗装業、僧侶、会社員、もともと高知が好きだった人、高知にご縁が合った人、移住相談会がきっかけとなった人とまさに様々。
共通点は全員移住者であること。
「みんなよそものなので、団体を作らないと信頼性が低い、
相談した結果、個人事業主が寄り集まってやる今の形(LLP)でまずはやってみよう、
軌道にのれば法人化したらいい」
と、山番LLPを立ち上げた


3年目を迎えた今年、去年末に千葉から移住してきた稲葉さんを迎え入れ
山番のメンバー4人体制となった。
「3人いれば十分、チームとして4名で1名休める体制が作れた。
危険の多い業種、1名で作業をさせないことが大切。」

将来も見据えている。

「3年目になってこの形でよかったと思う、団体
を大きくしたいわけじゃない。
将来は、それぞれが暖簾分けしてチームを増やしていきたい。
そういうことがやりやすいのがLLPだと思う。」

 

 


ラジキャリ 二人作業

山番LLPの林業

秋から冬(9月〜3月)の朝7時〜16時に作業を行う。
嶺北の山は日が暮れるのも早く、夕方の時間が有効に使えている。
みんなから意見をだしあって今の時間になった、こういうところもLLPの良いの部分だと思う。

 

今回取材に伺った現場ではラジキャリを使った架線搬出を行っており、山の状況や山主さんの要望にあった形で柔軟な林業を行っている。
山には最低二人以上で入り安全対策・安全装備を徹底、
トラックやグラップルなどの高価な林業機械は、山番から本山町に投げかけて、町が地方創生補助金を活用して格安でレンタルしている。


施行地の確保

施業地の確保は移住者が林業をやる上で大きな課題


山番は最初は地域おこし協力隊(役場の立場で)として、しっかりと一箇所やらせてもらい、そこから広がっていった。自治体のバックアップがないと厳しい現状もある。
本山の森林組合との関係も良好で、森林組合からの紹介や委託で作業することも多くある。

 

ノルマに追われず焦らない、先を考えた丁寧な仕事を意識して行っている。
理想は補助金に頼らず自分の山を持ちたい。
1シーズン5ヘクタールで1チームあればいい。


バウム バウム

林地集約・林業の6次産業化にも注力、それぞれが副業をもち豊な生活の実践。

代表の川端さんは、本山町、森林組合の協力を得て林地の集約化にも取り組んでいる。
集約化にかかる説明会や事務手続きは自治体にサポートしてもらいながらだが、
「地元の人、親戚をたどりながらの山主探しを、民間の移住者がやるのは大変。
それでも林地集約をやるのは、次の世代のためになると思ってやっている。」

林業の6次産業化にも注力
「山師が切って山師がひいた」
山番で切った材木を製材まで行い、川端さんが副業している本山町の木材加工会社「ばうむ合同会社」が
材を買い取り、加工販売までする6次産業化に取り組み「6歳になったら机を作ろう!」プロジェクトなど、
地域資源である木材の価値を上げ地域の活性化に繋がるイベントも好評を得ている。


ばうむ合同会社
http://baum-llc.com/
6歳になったら机を作ろう!
https://iko-yo.net/topics/desk


ライフスタイルに合った林業

林業と副業、それぞれのライフスタイルに合った林業


山番のメンバーはそれぞれが林業+αの副業を持っている。
秋から冬(9月〜3月)の期間は林業をメインに活動し、
それ以外の時期、夏場は花火師や木材加工業、
年間を通して地元の登山ガイド、婚活事業を行うなど仕事のスタイルはメンバーによって様々

「いろいろ組み合わせて副業だったり多方面から収入を得ている。
林業で生活できているかどうかの基準はよくわからないが、
事業体として3年目、手応えを感じ、自分の生活レベルに合わせて、
楽しいことをしながら生活できている。
日々考えながら、できることが増えていくのが本当に楽しい。」


「嶺北の山を守る。
嶺北でも本山にこだわっていたい。」


支援制度について

支援制度に関する詳細はこちら
http://kochi-shoukiborin.jp/support/


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