ワークスタイル

西土佐での施業

STYLE17林業+SUP(サップ)・カヌーガイド

林業とSUP(サップ)ガイド
2015年よりご夫婦でSUP(サップ)、
カヌーの体験施設「ウィズリバー」
を経営、オフシーズンの冬の間に
副業として林業に従事

四万十市谷吉 勇太さん、梢さん ご夫妻

谷吉さんご夫婦

withRIVER(ウィズリバー)


SUP(サップ)・カヌーガイドと自伐型林業の両立、夫婦で地域と繋がり続ける副業林業の形

 四万十川の三里沈下橋のたもとにあるSUP(サップ)・カヌーの体験施設「withRIVER(ウィズリバー)」を2015年より経営され、冬のオフシーズンには四万十市を中心に自伐型林業を副業としてご夫婦で実践されている谷吉ご夫妻。

 

今回はSUP(サップ)ガイドに、林業に子育てにとご活躍されている、谷吉 梢さんに貴重な女性目線での林業とご夫婦が目指す林業についてお話をうかがいました。


谷吉さんご夫婦

withRIVER

旅行がきっかけで四万十川の虜に、最初は移住しよう!と来た訳じゃありません(笑)

・移住されてからこれまでの経緯を教えてください。

 

谷吉さん「学生の頃、四万十川をキャンプしながら4泊かけてボートで下ったことがきっかけで、四万十川の虜になりました。
その時に知り合った方の紹介で、2012年に四万十楽舎に「田舎で働き隊」として半年間お世話になることに。
初めは半年間のバイトくらいのきもちで四万十川へ来たので、移住しよう!として来た訳ではありません(笑)」

自伐型林業との出会い

谷吉さん「地元の人との関わりの中で、80を超えても山仕事をしているおじいさんや、自伐型林業という繋がりを作ってくれた方との出会いがあり、私が来た時期が冬季をいうこともあり、自然と山へ行きチェンソーを握っていました。
なんだか女性でもできない訳ではなさそうだぞ、と肌で感じ、それからは土佐の森救援隊の養成塾に通ったりして技術を習得していきました。」

夫婦で自伐型林業を実践

・ご夫婦での役割分担はありますか?


谷吉さん「結婚してからは夫と二人での作業をしています。夫の方が後から林業を始めた形になりますが、あっという間に追い抜かれました。
作業の形は、自然と夫が伐倒・造材・搬出。私が道作り。という担当です。
夫は汗だくでホカホカ、私はブルブルなんてことがよくあります・・笑
あんまりかっちり作業を分けてしまうとよくないので、たまに交代しながらやっています。
自伐型林業は、夏場のSUP(サップ)・カヌーガイドの副業としてやるにはぴったりで、自然とこの形になっていました。」
 


谷吉さんご夫婦 谷吉さんご夫婦

 

副業としての林業、withRIVER(ウィズリバー)の経営

谷吉さん「主な収入は夏の観光業です。四万十川でSUP(サップ)とカヌーの体験ができる施設を6年前(2015年)に夫婦で立ち上げました。
ウィズリバーで夏に川にお世話になっているお礼として山で作業をしているという一面もあります。
私たちの林業の期間は12月〜2月です。
本来、林業は田んぼや畑がお休みの期間にやるものだったので、私たちも短い期間の林業で収入もその分少ないですが、この形で良いと思っています。
しかし夏は川、冬は山という働き方は本当にちょうどよくて、幸せです。」

 

withRIVER

10年、20年後を見据えた、家族だからこその林業

・ご出産を経て家族が増え、これからご夫婦でどのような林業を目指されていますか?


谷吉さん「今は間伐をお願いされた山主さんの山へむかって、道を入れているところです。
この先数年は道作りがメインなので、収入は少なく、補助金が頼りの状況です。
さらに山が急で木が鹿の食害にあっている、条件も悪いです。
しかし、10、20年後の間伐の際に収入が上がるようにできれば良いと思っています。
少し前までは、1日のノルマを決めて焦って作業してなんとか日当を稼いで、という状況でしたが、
本業のウィズリバーの収入が安定してきたこともあり、林業は10年、20年単位での収益の考え方を意識するようになりました。

橋本先生も言っていました「夫婦でやるから苦しい時も乗り越えられる」

山に負担をかけないような林業をしようと思ったら、収入が苦しい時期はどうしてもあると思います。
そんな時は二人で山へ行っても、一人分の日当が稼げれば夫婦でやれば暮らしていけます。」

 

谷吉さんご夫婦 谷吉さんご夫婦

これから自伐型林業を始めたい方へ

・これから自伐型林業を始める、始めたい方へアドバイスをお願いします。


谷吉さん「自伐型林業を始めたい方は、自伐型林業×〇〇という仕事の形で考えるのが良いと思います。
何事も徐々に、林業のスタートも、初めは趣味・ボランティアから、週末林業へ、季節林業へ、専門林業へとステップアップで。
とにかく長い目で見るように意識するよう努力することが良いと思います。とても難しくてもどかしいですが。
山のマッチングはご縁もありますが、自分の力ではどうしようもできないところがあるので、
これは公共の機関に助けを借りられる仕組みがあると本当に助かりますね。
山とやる気さえあれば自伐型林業は勝手に盛り上がっていくと思うんですが・・山の確保、難しい問題です。」
 

谷吉さんご夫婦

女性が輝く道、「誰よりも丁寧な道作りに日々精進しています。」

谷吉さんご夫婦

 

・それでは最後に女性目線でのアドバイスをお願いします。


谷吉さん「女性目線としては、男性に頼れるところは頼る、男性と同じ仕事をしようと思って同じ重さのチェンソーを使えるようになるのはナンセンスだと思います。
私はスチールの35ccチェンソーを使っていますが、これで今の現場の大体の木は伐れると思います。(伐れない時もあります。)
夫のハスクの50ccのチェンソーはエンジンすらかけられません(笑)
木組みの際の釘打ちもできません、できないから、代わりに夫が釘打っているときは明るく応援しています(笑)
重機で道作りをするときだけは男性も女性も変わりありません。
ここを秀でるのが女性が輝く道なのではないかなと思って、日々精進しています。」



谷吉さんご夫婦が経営する四万十川のSUP&CANOEの体験施設

「ウィズリバー|withRIVER」

ウィズリバーについて

withRIVER(ウィズリバー)は沈下橋たもとにある体験施設です。四万十川で60分のおてがる体験や半日の川下りツアーを開催しています。家族経営なのでちょっぴりアットホーム。


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谷吉さんご夫婦

支援制度について

支援制度に関する詳細はこちら
http://kochi-shoukiborin.jp/support/


これまで活用した支援制度

●作業道開設等への支援 ●副業型林家育成のためのOJT研修 ●林業機械のレンタルの助成●林業機械のレンタルの助成

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